自治医科大学とちぎ子供医療センター 小児外科研修

今回、私はDDSOの研修支援を受け、栃木県の自治医科大学とちぎ子ども医療センターの小児外科で3ヶ月間研修させていただきました。 自治医科大学とちぎ子ども医療センターは大学病院の敷地内に小児病院が併設されている全国でも珍しい形態の小児病院です。 小児病院の専門性と大学病院の先端医療を兼ね備え、質の高い小児医療を行っています。 手術症例も年間500例ほどあり、大学病院の小児外科としては全国でもトップクラスの症例数を誇っています。 外科病棟は病院の3階にあり、手術室、PICUも同一のフロアーにあるため、術後の患児や、重症の患児のケアがとても行いやすい作りになっています。 手術症例は新生児の緊急症例から小児がん症例まで多岐に及び、わずか3ヶ月間でしたが、たくさんの貴重な症例を経験する事ができました。 そして、お互いに刺激し合える、小児外科の仲間と出会う事ができました。


また、自治医科大学移植外科は小児肝移植では日本をリードする有名な施設でもあります。 今回の研修は小児外科でしたが、移植外科の先生方のご好意で、小児肝移植の手術も経験させていただく事ができました。 脳死肝移植症例も含め、3ヶ月で5例の小児肝移植を経験させていただきました。 なかでも、2800gの患児に肝S2グラフトを用いた生体肝移植は、めったに経験できない貴重な症例であり、技術の高さと経験の豊富さを目の当たりにし、とても勉強になりました。


今回の研修中に、自治医科大学小児外科の前田貢作教授が世話人で第26回日本小腸移植研究会が自治医科大学で開催されました。 研究会ではとても興味深い発表を聞く事ができ、大変刺激になりました。また、研究会のプレコングレスセミナーではブタを用いた脳死ドナーからの臓器摘出シミュレーションが行われ、参加させていただきました。 自治医科大学先端医療技術開発センター(通称:ピッグセンター)はブタを使って本格的に手術シミュレーションや実験が行える施設であり、充実した設備には大変驚きました。 大学病院の小児外科ならではの特性であると思いました。

今回の研修は3ヶ月でありましたが、たくさんの貴重な症例を経験できただけでなく、病棟や外来を含めた病院のいろいろなシステムも学ぶ事ができ、大変に有意義な時間を過ごす事ができました。 手術の技術的な事はもちろん、システムを含め良いところは積極的に取り入れて、これからの小児外科診療に生かせていければと思っています。
最後にこの様な機会を与えていただきましたDDSOには深く感謝申し上げます。



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