H28.9月2日-3日 日本消化器外科学会主催の消化器外科手術手技講習会(JESUS)2016 に参加しました。

jesus2016 片野先生

JESUS2016に参加して

片野 薫

2016年9月2日、3日に熱海でのJESUS2016に参加させていただきました。1日目のレクチャーでは6人1班となり、ブタの小腸を用いた腸管吻合、シミュレーターでの腹腔鏡下胆嚢摘出術や縫合・結紮などのトレーニングを行いました。全国の一流の先生方に丁寧な指導をしていただき、短い時間ではありましたが手術手技の腕を磨く上でとても貴重な経験をすることができました。夜は懇親会があり、日本中の外科医を志す研修医と持ち寄った日本酒や焼酎を飲み、どんな研修医生活を送っているのかなどを話しながら交流しとても楽しい時間を過ごしました。2日目は腹腔鏡下での縫合・結紮のタイムトライアルを行いました。結果は満足できるものではありませんでしたが、同じ研修医でも自分よりはるかに技術の高い研修医がいることを思い知り練習不足を痛感させられると同時に、同期に負けたくないという思いがかき立てられるよい刺激となりました。 今回のJESUS2016に参加させていただき、少しではありますが外科医としての腕を磨くことができたと実感しております。しかし重要なのは、全国の研修医からもらった刺激や向上心を忘れず、修練を継続していくことです。これからも一流の外科医を目標に努力を重ねて行きたいと思います。最後になりますが、今回のJESUS2016参加にあたり、ご指導いただいた先生方、ご支援いただいたDDSO関係者の方々、JESUS2016の全ての関係者の方々に深く御礼申し上げます。


H27.4~6月 カナダ ブリテイッシュコロンビア大学での短期研修。

二宮 致

二宮先生 ラボにて

  

2015年 4-6月、伏田先生に引き続きカナダ ブリテイッシュコロンビア大学(UBC)生化学教室、沼田雅行教授のもとでの短期研修に行ってきました。研修内容は、主に分子生物学で行われる Molecular cloning の実習でした。これまで国内でも分子生物学的実験は行ってきましたが、plasmid や大腸菌を使ったクローニングの経験はなかったため、戸惑いながらも興味深い研修となりました。実際には PCRを使って目標遺伝子を増幅作成し遺伝子発現 Vectorに組み込んだ後、大腸菌内で増やし、抽出するという古典的な手法です。沼田先生は細胞内pH環境を調節する分子Na+/H+ 交換輸送体(NHE)に関する研究を行っておられ、近年その中でも NHE-5 に注目して研究をすすめているところでした。今回はNHE-5を特異的に阻害する Short hairpin RNA 3種類 を含む5種類の遺伝子発現Vector の作成に成功しました。若いころと違い老眼を自覚しながらの実験でしたが、思わしくない結果がでた時に手法を変えて再チャレンジするなど大学院生時代を懐かしく思い出しながら実験しました。Labo では沼田教授夫妻以外に二人の Undergraduate が実験を行っており、会話は一応日本語禁止でしたので英語のトレーニングにもなりました。滞在期間中には、沼田教授やAlice Mui教授に、日本での研究成果を発表する機会があり貴重な意見を頂きました。またUBC外科学講座のQayumi教授を紹介して頂き、UBC病院の教育シミュレーションセンターを見学させて頂きました。今回の研修滞在中は久しぶりの一人暮らしで、マーケットで買い物をして自炊の生活は独身時代に戻ったようでした。しかし臨床やバイトから解放されて実験に没頭することができました。また夜間や休日は論文の執筆や添削を行ったりして充実していました。通常カナダは5月末まで雨季のような寒い日々が続くのですが、この年は5月から早くも夏に突入したかのような好天続きとなり、休日にはショートトリップに出かけたりしてカナダの大自然を満喫する事もできました。沼田教授の教室にいる Undergraduate の研究成果を聞く機会もあり、この様な交流のなかからTranslational researchに関する新たなアイデアを得る事ができました。このアイデアを基にして平成28年度の科学研究費を獲得し、沼田教授の教室との共同研究を開始しています。 今回の海外研修は3カ月足らずの短い研修ではありましたが大変実り多いものとなりました。 今回の出張に対してDDSO から資金援助して頂いた事を深く感謝しております。


H27.7.16 医学生対象 アニマルラボ & 学会体験 を行いました。
7月16日は川崎市のコヴィディエンのトレーニングセンターでアニマルラボを行いました。医学生3人に対し、研修医3人および指導医4人が対応しました。終了 後は食事会で親睦をはかり、翌日は浜松に移動して第70回日本消化器外科学会総 会にも参加してもらいました。将来、外科医を目指すとよいのですが…

アニマルラボに参加して 

久野 貴広

8月27日に川崎でのanimal laboに参加させて頂きました。外科手術はより低侵襲を目指す方向に進歩してきており、腹腔鏡手術は今後の外科医にとって必須の技術になってくるものと思われます。しかしながら、私のような若手の外科医にとっては腹腔鏡手術の執刀の機会は決して多いものではなく、シミュレーター等dry boxでの修練が日々の研鑽の中心であります。そのような中で、生体を用いた手術手技の修練というのは何ものにも代え難い貴重な経験であります。
腹腔鏡手術は、腹腔内という限られた空間内での手術操作のため、執刀医の技術だけでなく、助手の術野展開やスコピストのカメラワークが重要となってきます。これらが強調することでスムーズで安全な手術が行えるものだと思います。腹腔鏡下の胃切除術ではスコピストを担当させて頂いておりますが、自分が執刀医ならどういう視野展開をしてほしいか、自分が助手なら執刀医の望む視野をどのようにして作れば良いか、など普段とは違う視点を体験できたと言うことは大変貴重な経験でした。また、受注者側にとっての腹腔鏡手術の利点として、視野を術者全員で共有できる点、そしてそれを見直して反省できる点があります。今回、各病院の先生方の手術ビデオも拝見でき、先生方の工夫点やポイントも伺うことが出来て得るものの大きな研修となりました。今後もこのような機会がありましたら積極的に参加させて頂きたいと思います。最後になりますが、今回の研修開催にあたってご指導頂いた先生方、ご支援頂いたDDSO関係者の方々に、心より御礼申し上げます。


アニマルラボに参加して           

河野 達彦

私は2015年8月23日、神奈川県川崎市にあるトレーニング施設にてアニマルラボに参加させて頂きました。今回のアニマルラボではブタでの腹腔鏡下胃切除が主なテーマで、朝から諸先生方より、郭清、再建、術野の展開、剥離層のポイント等、注意・意識すべきことが圧縮された講義をして頂き、その後昼前から2人ずつのグループに分かれ、各グループに1人ずつ講師について頂き執刀を開始しました。私は前立ちとして参加させて頂きました。私自身、腹腔鏡での胃手術はスコピストとして入ることが多く、鉗子で胃を把持するのは初めてでした。スコピストとして手術に参加している時もできる限り術者,助手の立場になって考えるようにしてきたつもりでしたが、実際に助手をしてみると、その意識が足りなかったことを痛感しました。どのように持てば術者が切りやすいか、何に注意すべきかを事細かに指導して頂き、術野の展開の仕方の重要さ、難しさを体感することができました。昼食を挟んで夕方頃まで、腹腔鏡下胆嚢摘出術の執刀や、大腸切除の助手も途中までですがさせて頂き、手術の途中にも上達してきていることを感じることができました。終わった時には無駄な力が入っていたせいで体の痛み全身の重さを感じ、練習不足を痛感させられました。今回の経験で、実際に少し上達することができましたし、今後どのようにすれば外科医として習練を積めるかが少し見えた気がします。基本手技の練習を継続し、動画をみて手術手技をイメージ,言葉にできるようにし、その上で手術に臨み、その後修正する。ますはそれを繰り返すことから実践する必要があると再認識しました。手術は本番を通してしか学べないことも多くあると思うので、これからこのような機会があればまた積極的に参加したいと思います。今回アニマルラボという貴重な機会を与えて下さった飯田先生、小嶋先生、藤井先生、加治先生、稲木先生、ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社、施設関係者、すべての関係者の皆様に深く御礼申し上げます。

H27.8.27  富山県立中央病院若手ドクターをアニマルラボに派遣。
DDSOの臨床試験に数多くの症例を登録してもらっている富山県立中央病院の加治 正英先生に感謝の意を込めて、当病院に勤務している若手ドクター5人を川崎市 のアニマルラボに派遣しました。加治先生を含め5名のエキスパートによる講義 と実技指導でひと皮剥けたでしょうか(笑)。



アニマルラボに参加して

杉本 優弥

はじめに、今回の研究会の開催にご尽力いただきました飯田先生をはじめ、ご指導頂きました小嶋先生、藤井先生、加治先生、稲木先生、およびジョンソン・エンド・ジョンソンと施設関係者の方々に厚く感謝いたします。  私は卒後4年目、外科医としては2年目となります。腹腔鏡手術については今年度より胆嚢摘出を数例執刀させていただいたばかりです。また豚を用いたアニマルラボについては2回目であり、前回は腹腔鏡での大腸手術を経験させていただきました。 今回は、緒先生方に事前に郭清のポイントや神経温存に留意した切除、様々な再建方法などについて講義していただき、その後にラボといった流れでした。なので、それらを意識し、ラボに臨むことができました。そして実際のラボにおいて、以前は何気なく見ていた展開が、意味を持って認識できた部分もありました。 また今回のアニマルラボにおいては、小嶋先生に講義していただいた「軸と面を意識した術野展開」を心がけるようにしました。しかし実際に前立ちとして手術を行ってみると、理想の術野を展開することが本当に難しく、何度も指導、指摘をいただきました。また解剖構造、剥離するライン、進むべき層、注意すべき構造などについても知識、経験が大変未熟であり、不勉強を痛感する場面が何度もありました。 加治先生の講義にありました「外科医としての習練(ドライボックスでの練習、動画を繰り返し見ること、手技の定着・把握)」について自身を振り返ってみると、すべてが疎かであり、特に手技の把握が稚拙であることに気付かされました。 新たな発見もある一方で、他方では自身について深く反省する経験となりました。今回の経験を生かして今後とも研鑽を積んでいこうと思います。

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