アニマルラボ


2015年3、4月に、カナダのバンクーバーに短期研修へ行ってきました。 主たる活動内容は、University of British Columbiaの生化学教室との共同研究のために必要な遺伝子をクローニングして、発現ベクターに組み込んだり、逆に遺伝子発現を抑制するベクターを作成したりすることでした。 大学院生であった25年前に長崎大学の腫瘍医学教室に内地留学した際の記憶を甦らせながら久しぶりに実験小僧をしていました。
もともと臨床とはかけ離れた細胞内シグナルの輸送媒体についての研究をしていましたが、カナダでも最近になりがん撲滅キャンペーンが盛んとなり、癌関連の研究に予算がまわるようで、我々が研究している癌の微小環境における間質細胞と癌細胞の相互作用を動物実験で行っていることに興味を持ってくださり、共同研究を始めるきっかけになりました。
UBCは広大な敷地にいろいろな学部や研究施設が立ち並んでいますが、自然と上手に共存した素晴らしいキャンパスでした。 私はダウンタウンに居住していたので、毎日バスで40分かけ通勤しており、バスの車窓からは海や雪のかかった山々が垣間見え、観光は殆どできませんでしたが、自然好きには堪らない環境でした。 

金沢では日常臨床に加え、様々な雑用が次々に湧いてきますが、カナダでは実験以外にすることがないので、夕食は殆ど自炊していました。 もともと料理は嫌いではないので、毎回メニューを変えてTVニュース(英語が一番聞き取りやすい)を見ながら部屋飲みしていました。 実験以外にも、Vancouver General Hospital の研究所で我々のやってきた研究内容のプレゼンをしたり、外科的手技を教育するためのシュミレーションセンターを見学させてもらったり、充実した滞在となりました。 帰国の際には、作成したベクターを組み込んだ細胞株を持ち帰ったので、今後の実験に役立てるつもりです。これまで何回も国際学会に参加しましたが、観光旅行の延長みたいなものでした。 是非若い先生方には機会があれば海外生活(留学)を経験して欲しい、させてあげたい、と思います。
最後になりましたが、DDSOには今回の出張に際して資金援助をしていただきました。誠にありがとうございました。






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