近畿大学上部消化管外科 短期研修報告

  この度、DDSOの研修支援制度を利用させていただき、平成26年7月28日から8月7日まで近畿大学上部消化管外科にて短期研修に行って参りました。 同院は安田卓司主任教授のもとで、年間約200件近くの食道癌治療を行っている病院であります。 安田先生は食道外科として、特に頸胸境界部の癌治療に対するエキスパートであり、70例を越える年間手術件数をこなしておられます。 本年は85例を越えようかという勢いだそうであり、最もアグレッシブな外科治療が行われている施設であります。
  研修期間中は主に手術見学をさせていただき、今まで見たこともないような手術を拝見させていただ きました。特に耳鼻科や形成外科といった診療科と連携して行う頭頚部領域の手術見学は新鮮な体験で ありました。 また、食道気管瘻における切除再建術は、最早匠の技であろうと思います。高度な治療に診療科スタッフが一丸となり挑んでいる様は、非常に刺激になりました。 カンファレンスも時間をかけて、幅広い視点から治療内容を決定しており、これに参加できたことは有意義でありました。 スタッフ間の意思疎通は迅速で、重症例に対する診療など大変な業務も、 皆で協力できるアットホームな空間で研修させていただいたことに感謝いたしております。
   同時に教室では胃癌診療も行われており、古河教授のもと開腹手術、今本教授のもと腹腔鏡手術、 ともに見学させていただきました。 さらに腹腔内化学療法などは、当科でも従来から行っている治療であり、意見交換を出来たことは、必ず今後の診療に生かされることだと確信しております。
   上部消化管診療における外科治療は、いまだ重要な位置を占めています。手術に力を入れている教室での研修で得られた知見を大いに活用し、更なる研鑽を積んで参りたいと思います。




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