今回私は、DDSOの研修支援制度を利用させていただき、12月2日~13日まで国立がん研究センター東病院の大腸骨盤外科で短期研修を受けて参りました。
同院は年間350例におよぶ大腸癌の手術を行うhigh volume centerであり、また内肛門括約筋切除術(ISR)という、肛門機能温存を図りかつ根治性を損なわない術式を日本でいち早く取り入れ、積極的に行われていることでも有名です。
平日は全て大腸骨盤外科での手術枠があり基本的には手術室で手術見学などを行いましたが、同年代(医師9年目)のレジデントと共に回診や処置を行ったり、カンファレンスに参加したりと、幅広い研修となりました。
懇親会でスタッフやレジデントの先生方とざっくばらんな話をし、交友関係を深めることもできました。
手術手技に関する細かな工夫や、術野展開における指示などに限らず、どういうことを考えて次の一手を加えていくのかということが、その場で見聞きして疑似体験できたため、印象深く自分の中に残り今後実際に執刀する際の一助になってくれると確信しております。
また、手術全体を通しての計画、また全体をいくつかのパートに分け、どの段階まで進めば次のパート(視野展開)に進むのかということを予め決めておき共通認識しておくことが、手術の迅速化・定型化に重要であるということを学びました。
そのために各人が準備すること(解剖学的な情報を画像検査で把握しておくのはもちろん、手術内容に関する疑問点・注意点を事前にディスカッションするなど)がいかに大切であるかを改めて痛感させられました。
当科でも大腸癌に対して積極的に腹腔鏡下手術を適応しておりますが、まだ定型化できるほどの段階には至っていないのが現状であるため、今回の研修で得られた知見を大いに活用し、更なる研鑽を積んで参りたいと思います。